TSTS

佐々木は1990年青森県出身。文化服装学院やここのがっこうを卒業後、アントワープ王立芸術アカデミーに進学し、同校の学長を務めたデザイナー ウォルター・ヴァン・ベイレンドンク(Walter Van Beirendonck)らに師事した。帰国後は「サカイ(sacai)」でのインターンをはじめ、友人である高橋大雅のブランド立ち上げに携わった。 井指は1990年東京都出身。文化服装学院を卒業後、企業パタンナーとして勤務した。その後アントワープに渡り、佐々木のコレクション制作のアシスタントと並行して、アントワープ王立芸術アカデミーの教授兼モデリストの元で経験を積んだ。帰国後は「カラー(kolor)」でメンズパタンナーを務めていた。 TSTSは「TAKUYA SASAKI TEST SAMPLES」の略語。TEST SAMPLESは、兵士への正式支給前に試験的に開発・テスト使用されていた「Experimental test Sample」に由来し、TSTSの先駆的な服作りの姿勢を表している。「二面性」をブランドコンセプトに掲げ、東京的な日常性の中にアントワープ的なシュルレアリスティックな空気感を織り交ぜた、ユーモアと社会批評性をもったコレクションを展開していく。 デビューコレクション「TSTS PROPAGANDA」では、1940年公開の映画「独裁者(The Great Dictator)」およびチャーリー・チャップリンをモチーフに、ブランドの核として存在するシュールでシニカルな世界感を提案。ポップなカラーリングのギンガムチェックやボーダー、誇張されたようなシルエットといった、幼児性を感じさせるようなモチーフをベーシックなワードローブに落とし込み、「緊張と緩和」や「二面性」を表現したという。
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